① |
同じ姿勢が長時間続く
|
|
仕事が超超忙しくて数ヶ月机にかじりついていた
時期がありました。椅子に座りっぱなしでパソコン
と一日十数時間にらめっこです。お尻の皮が擦れ
て血が出る程座りっぱなしでした。
|
② |
痛みが下りていった
|
|
次第に腰が痛くなり、次にはお尻の奥の方に痛みを
感じる様になり、さらにはももの裏、ふくらはぎの裏、
最後には足の先にしびれを感じるまでになりました。
この時点で1時間も立っていられなくなりました。
しかも不思議と左側だけ痛む(人によって右側だけとか)
んです。後々これがヘルニアのわかりやすい症状だった
と知りました。
|
③ |
最初の病院の指示で暫く筋トレ
|
|
その後病院へ行き、レントゲン撮影とベッドにうつ伏せに
なって腰を押して「これは痛い?」等のやりとりをして
「ヘルニアになりかけ」と診断されました。処置としてはしば
らく筋トレマニュアルに従って筋力アップに努めて下さいと
の事でした。その後いつまでも痛みは和らぐことがなかっ
たのですが、筋トレはしっかり続けたうえで2、3ヶ月後
にやっと効果が現れるものなのでガマン、でも2、3ヶ月が
経っても痛みは悪化する一方でした。
|
④ |
東洋医学にチャレンジ
|
|
ちょっと不安になって別の病院に行っても同じ、また筋
トレを指示されました。たまらず今度は東洋医学にチャレ
ンジ。まずは整体師、続いてカイロプラクティック。どちらの
理論も体の歪みを整えて根本から治す方法なので確かに
正しい、それはワカル。予防医学としては立派なものだと
思います。1回5000円近くてとても続ける経済力があり
ませんでしたし、後になって思えばもうこの時点で既にヘル
ニアは飛び出していたんだろうと思われ、通院を中止して正解?
|
⑤ |
IT時代の医者探し
|
|
困ってしまった私はインターネットでヘルニアに秀でた先生
を探しまくりました。でようやっと愛知県のある病院の先生に
帝○大学溝口病院の出○明先生を紹介してもらえました。
帝○大学にひっかかりがありましたが、ヘルニアの内視鏡手
術の権威だそうでした。この病院で初めてMRI撮影を受け、
脱出型ヘルニアと診断されました。
|
⑥ |
人気医師で病院は超のつく混雑
|
|
この病院は申し込みの診察カードを投函してから呼ば
れるまでに4時間は軽くかかる超超大混雑。
現場はものすごく忙しくて特に出○先生には患者が殺到
しています。忘れられて呼ばれないこともしばしばです。
最近は予約が入れられる様になりましたが、その予約時間
から更に1時間以上押します。看護婦さんに「あの~全然
呼ばれないんですけど。。」と催促しないことには、もっと言
うとカードを入れたらすぐ看護婦さんを呼び止めて「全然呼
ばれないんですけど」ってウソをつくくらいしたくなるしそれが
出来てしまう程の混雑なんです。そんな中でも冷静に診察を
続けている先生はすごいけども。。でようやく見てもらえるワ
ケですが、僕の経験から出るアドバイスとして
とにかく開口一番「MRI撮影をしてくれ」とこちらから要
望したらどうでしょう?
MRIはひと目でヘルニアかどうかわかるスグレモノです。
僕はこの帝○大病院で初めてMRI撮影を受けました。
先生的には先ずレントゲンを撮り、
原因がはっきりしない場合はMRIをと段階を踏むのが
セオリーの様ですけど1回の来院につき4時間待たされるわ
けですからねぇ。。ヘルニアが飛び出していればMRIにバッ
チリ写ります。
僕のもバッチリ写ってた。「脱出型ヘルニア」と診断されました。
我慢しすぎだと、痛みが1ヵ月も続いたらもうヘルニアを疑えと
言われました。
|
⑦ |
1度目の内視鏡下椎間板ヘルニア摘出手術
|
|
MRIで一目瞭然。手術が必要です。私のその時の痛がり方
がさほどでもなかった為か、先生は「どうする?」と私の意向
を聞いてきました。「症状で決めていいよ」と。
そうですよね。。。ここで大きく悩んでしまいました。
「こんなような状態を放置したらある日突然半身不随になる
様なことはある?」「あるよ」「ガビーン!」ガマンも安全な選
択ではないってこと!?痛がり方は人それぞれだしMRIを
撮らないまま痛み方だけを頼りに診断されちゃうと特に男子
はガマンしすぎる結果になりかねないですよね?
で「いっそ手術をやりたい。その為に内視鏡の権威を探し回
ったわけだし」と伝え手術に至ったわけです。
手術は当然出○さんにやってもらうつもりで入院したのですが
そのことをちゃんと強調して伝えていなかったせいか、手術
前夜の同意書サインのための説明の場で別のベテラン医師
が執刀すると言われた。まーもう浣腸までしちゃってるしいいや
とサインしちゃいました。術後のコメントで「癒着が思ったより
進んでいて取りきれなかった」と言われました。
|
⑧ |
バカやって再発
|
|
手術して半年間くらいはまったく痛みがなくなっていました。
夢の様でした。でも徐々に痛みが戻ってきて1年たった
ら手術前の50%程の痛みに。実は「1週間で退院できる」
をカンチガイして「1週間で社会復帰」しちゃったんです。
後で先生に確認した話では脱出型ヘルニアを手術した場合、
飛び出した部分を切り取った断面は瘢痕(火傷痕)状に
ふさがるそうで、瘢痕がちゃんと出来る前に仕事復帰してまた
飛び出させちゃった可能性が大との事でした。
また「手術して再突出する確率は世界的には10%という統計
値がある。私の臨床に関しては300臨床中こないだ初めて
1人出た。もし君がそうなら2人目だ」と不名誉な記録まで
作ってしまったあーあ。
|
⑨ |
2度目の内視鏡下椎間板ヘルニア摘出手術
|
|
仕事が勤まらなくなってきてしまいました。手術が必要です。
前回の手術をした先生が「癒着が取りきれなかった」と言って
いたのでそれを心配して聞くと、出○さんは「僕の内視鏡の
刃先はカスタムメイドで普通より細かい細工が出来るから癒着
も綺麗にとりますよ」だって(笑)。「そんなもんなの?人によって
違うとか、腕によって違うとか、そんな職人技の世界なん?」
「そうだよ」だって(笑)。で、今度こそ出○さんに執刀してもらい
退院後の静養期間も1か月とりました。
あと今回は「反ると痛い」症状が追加されていたので聞くと
「それは多分ヘルニアによる脊椎圧迫ではなく、逆に脊椎の
後ろに位置する脊椎関節の軟骨が肥大して後ろから脊椎を
圧迫しているんだろう」と。
そうそう、その際「2回も脱出ヘルニアやってもう髄核はかなり
少なくなると思うし、椎間板が機能しなくなる恐れはない?」と
の質問には「まだなんとか持つでしょう」と返事もらいました。
でも実はこれが後で悲劇を。。。。
術後の先生のコメントは「脱出した髄核と、あとやっぱり脊椎関節
の肥大もあったので干渉する部分を切り取ったよ」でした。
|
⑩ |
椎間板が機能していない!?
|
|
手術が済んで麻酔が切れたあたりでもう既に「痛み方が変わった
が痛みは無くなっていない」ことに気がつきました。
ヘルニア特有のお尻の奥、もも裏、ふくらはぎ裏、足小指側のしびれ
はかなりなくなっているけど、寝起き時に腰だけが潰れる様に痛い
症状は残っていました。じき消えるだろうと思っていたのが、その後
1ヵ月の静養を終えても消えず、仕方なく職場復帰して8時間もほぼ
座りっぱなしを経験して改めて「全然痛みがなくなっていない」と気づ
きました。静養中はムリをしないのでどの程度痛みが残ったの
かを完全に理解したのは職場復帰後になったわけです。
今思うとこの潰れるような痛みとヘルニアの痛みが共存してあって、手術後も
潰れるような痛みは残ったという印象です。でもそんなの手術が終わってから
気づいた。。。
これをまた先生に訴えると椎間板がもうかなり薄く、骨同志が干渉して
炎症を起こしているのだろうとのことでした。2度目の手術前に撮った
MRIではその部分の骨が白く変色して写っており、その時既に椎間板
は満足に機能していなかったことがわかりました。実は手術前に「また
摘出手術をやることで椎間板は足りなくなり、それによる新たな痛みが出ること
はないか」と確認して「まだこのくらい残って入れば大丈夫」との答え
でした。それはその時点で先生は「椎間板が薄くなっての痛みはまだ生じて
いない」と理解していたことを示す。僕も複数の症状があったのだと自覚
したのは手術後のことですし。。。あの時もっと自分自身の症状を感じ取って
伝えていれば何か今とは違う良い結果になっていたのかもと悔やんだりもしました。 嘆きたくもなります
が、とにかくは脱出ヘルニアは摘出してそれによる症状が消えたワケ
だし、手術自体はやって損ではなかったのかなと納得するしかありま
せんでした。もうこうなったら腹筋背筋を死ぬほど鍛えて、それでも
ダメなら人工椎間板もしくは金属板で骨を固定(いずれも2週間程の
入院だそうです)しかない!らしく、只今筋トレ継続中。
それにしても骨同士がぶつかり合うのってこんなに痛むのか?
座って3時間、歩いて20分、走ると1秒で激痛が限界に達してしまう。
前屈も反り返りもだましだましやると最終的には全盛期と同じくらいま
で曲げられるし、今までの「いわゆるヘルニアのそれ」とは全く違う症状だけども。。。
腰が潰れる!腰が潰れる!。。。
誰か助けてくれ。。。
腰が潰れる!腰が潰れる!。。。
(2004/05/15追記)
新たな病院に行ったら何か違う見解が得られるかも!と久しぶりに思い立ち
北里大学病院に行ってみました。帝京とまったくちがって完璧に運用システム
が出来上がってまして圧巻です。なんとスムーズな接客、プライバシー保護
も万全といった感じ。土曜日に1度行っただけなんでいつもそうかは判りません
が、初診の私を含め3組の外来患者しかいませんでした。予約システムでフル
コントロールされてるのかなーと思います。
さて所見ですが、やっぱり椎間板がもう無くて骨がガチガチぶつかってるのは
もう動かしがたい事実だそうでした。ただしX線でかなりのパターンを撮った
りだとか、説明がすごくわかりやすくて非常に納得、受け入れることが出来ました。
人工椎間板を待つからいいや。それはそうと北里はオススメです。
前屈 直立 反り
左転 直立 右転
その後の事を今頃ですが記します(2018/5/21)↓
・北里でいよいよ切開手術。L5の骨を一旦切り開き、内側を削って脊髄の通る
スペースを広げ閉じる。オリジナル術式だそうで。これがまた後日悪い結果に
繋がる。。。
・手術直後からぜんぜん潰れる痛みに変化がない!もう諦めが強くて先生に何か
訴える気力もない。希望薄のまま退院。
:
痛い痛い潰れる潰れるぅぅぅ。。。
:
・NTT東日本病院に行く。もうどうにでもなれ!ブロック注射を基本に、勧められる
こと全部試す。背中にEMSみたいな電極入れてビリビリ・・そんなこともやりました。
これはかなり珍しい処置らしくてなんかのTV番組のインタビューも受けました(泣笑)。
薬はまだこのころはガバペンやリリカしか無く、どちらもぜんぜん効かない状態。
ブロック注射ですら1日くらいしか効かない。
病名も既にヘルニアではなく「慢性疼痛」となっている。物理的な所見がなく、
とにかく痛みが慢性的に生じ続けている状態、だそうだ。効く薬があればなぁ。。
:
・自治医科大学病院に有名なペインの先生がいるとの事。車を飛ばして遠路はるばる
行ってみたけど違う先生に診察された。○○先生の予約は100人待ちです、と。
予約だけ入れて帰って来た。でもその後連絡すらないぜ。
:
・仙台の石巻に有名なペインの先生がいるとの事。と知った直後に東日本大震災!
あの流された病院だった!なんという偶然!結局その後その先生はどこに行ったのか
わからないので。。次の病院を探した。
:
・世の中が変わってきた。。。
手術なんてやってもやらなくても数年後の結果は同じだみたいな研究結果も出たそうで、
手術ではなくペインクリニックが主流に。なんだよ今更!もう何度も何度も手術しちゃった
っつーの!日医大病院のペインクリニックへ。ブロック注射を基本に、私に合う薬が
ないかを再捜索。いつもどおりロキソニンからはじめて。。。ガバペン効かず、リリカ
効かず、そうこうしているうちに登場した新薬「トラムセット」が劇的に効いた!
僕にはこれしか無い!これさえ飲んでいれば腰痛を忘れて一日いられることさえ可能に
なった! ところでここの先生曰く、脊髄にブロック注射をする際、僕の脊髄は硬膜が
ブヨブヨに延びてしまってプルンプルンの水風船の様だ、と。以前北里病院で受けた
L5の骨の内側を削る手術の結果、広がったスペースにあわせて脊髄硬膜がふくらんで
しまった様です。。。なんという事だ。。orz
でもリリカが見つかっただけで生き返る思いがした!そして今(2018/5)に至ります。
|
【病院】 |
帝○大学溝口病院 |
【執刀医】 |
整形外科 出○明医師 |
【手術内容】 |
背中に直径1~2cm程の穴を空け内視鏡を差し込み
椎間板の飛び出した部分を切除する。
傷はこの1~2cmの穴のみ。 |
麻酔は全身麻酔。目覚めたら手術は終わっています。 |
【日程&経過】 |
手術前日午後から入院します。 |
その夜から翌朝、または翌昼まで飲食喫煙は禁止。
手術直前には浣腸もやります。 |
手術が済んだ当日夜は全身麻酔が切れる為か「ものすご
く寒い毛布下さい」と「熱いから毛布をはいで下さい」を繰り
返しました。 |
翌日、翌々日あたりから頭痛が出ました。先生は2、3日で
治るといいますがそれが信じられないくらいに痛みました。
特殊な痛み方で寝ていると全く痛みがなく、起き上がろうと
すると脳が潰れるような痛み。先生の話では「手術で脊髄内
の髄液のバランスが崩れるため」だそうです。そして本当に
2、3日で痛みが無くなりました。この頭痛は出る場合出ない
場合があります。執刀医の腕か?僕は1回目の手術時のみ
でました。 |
頭痛が止んだら2、3日様子を見て辛くないようなら退院です。 |
僕はここでカン違いをしてしまい翌日から出勤を再開してし
まいました。再発およびその後の悲劇の原因は自分で作って
しまったワケです。
先生に「最短記録だよ」と笑われてしまいましたが実際は
退院はしてもまだ内部の切り取った部位の傷が治ったわけ
ではないそうで。 普通はこの後20日程自宅で静養するそうです。 |
切り取られたヘルニアの写真です。
(私ではなく義兄のものです。かなり多い!私の5倍くらいもある!) |
【他の治療方法と比較】 |
「整体」は軽度の人には効果があるとは思いますが僕には
効果は出ませんでした。既に脱出してしまった髄核は整体で
引っ込むわけはないんだろうな、と。 |
「筋トレ」も軽度の人はこれだけで治るかもしれませんが僕は
ダメでした。でも必要不可欠です。そもそも腹筋背筋が弱いから
ヘルニアになるワケですし。手術後も腹筋と背筋の筋トレは続
けます。 |
「レーザー手術」も軽度の人(脱出していない突出ヘルニアの人)に
は効果が期待できる様です。この手術は椎間板の中身(髄核)
をレーザーで焼いて小さくし、内部圧力を下げることで椎間板全
体を収縮させる方法です。椎間板の外皮(線維輪)が裂けていたら
内圧を下げようがないといったところなんでしょう。 |
「レントゲンによる診断」僕はこれを一番恐れています。レントゲ
ンでははっきりと椎間板を捕らえられないし、もしレントゲンしか
撮らずに診察している医者にかかっているのでしたらすぐMRIを
撮ってくれる医師に切替えるべきだと思います。MRIにも限界は
あるでしょうけど限界の低いものをあえて優先する理由はないで
すよね?僕はレントゲン診断しかしないで放置してしまい最終的に
脱出ヘルニアになってしまいました。 |
【僕の感想】 |
術後は絶対筋トレをする!誓える!なら個人的にはお勧めです。
そうでないなら再発して僕の様になりかねませんからね。 |